fc2ブログ
主に直翅類(バッタ・コオロギ・キリギリス・ナナフシ・カマキリなど)を中心に扱います。生態観察/飼育観察/生態考察/豆知識などをお届けします。
5月末の話。
おぞましい数の毛虫が闊歩する手すりやフェンスを虚ろな目で見流しながら歩いてると、フェンスの隙間にやけに眩しい緑色が埋まってる(?)のが目に入った。

2020070308060429f.jpeg
コロギス Prosopogryllacris japonica 【2020.05 大阪府】



コロギスの終齢幼虫だった。
コロギスの幼虫…というかコロギスは主に夜行性で、昼間は口から出した糸で葉を紡いで巣を作り、その中に潜むという直翅目らしからぬ生態を持つが、稀にやや開放的な、人工的なちょっとした隙間に隠れているつもりでいる個体を目にすることがある。例外として脱皮前には巣から出てきてることもあるが、この個体にはまだ脱皮しそうな気配は全く感じられない。
思えば飼育下でもちゃんと巣を作るものがいる一方、容器の隅っこや影になった部分にうずくまってるものもいたような。
実際はわざわざ巣を作らなくてもじっと落ち着ける場所があればなんでもいいような、わりとガバガバな性格だったりするのかな…?


……などと思ったので、 卍誘拐卍 して飼育することにした。
ちっこい翅芽だった幼虫は捕まえて約2週間くらいで無事に成虫へと開花し、7月現在は造花でちゃんと巣を作り、日中は毎日同じ場所に戻って寝ているのであった。
なんだ、結構几帳面じゃないか。

202007032139192e3.jpeg
造花に作られたコロギスの巣。
この糸は一本一本口で丁寧に接ぎ合わせていく。

20200703213919a8f.jpeg
羽化した成虫 7月現在。
触れようとするとすぐにこうやって威嚇してくる。



…結局、変なとこにいるやつは、夜間動き回ったはいいがいつのまにか明るくなってきて、近くに葉もないので丁度よさそうな窪みにでも入ってやろう的な感じなのかもしれない。
ん…?それはつまり、やっぱりガバガバじゃないか…。
関連記事

FC2blog テーマ:昆虫の写真 - ジャンル:写真

【2020/07/03 19:00】 | 散策
|
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可